今使っているイヤホンの装着感に違和感を感じていたり、イヤーピースを何にしたら良いか迷っていませんか?
実は、イヤーピースという物はイヤホンの装着感の向上においてかなり重要である上に、音質にも影響があります。自分の耳に合ったイヤーピースを使う事で、今まで使っていたイヤホンの音が全然変わってしまうなんて事も珍しくない話なんです。
という訳で今回は、高級イヤホン使用歴10年の筆者がオススメするイヤーピースを紹介していきます。
ども!まるこです。
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- 今使ってるイヤホンの装着感、フィット感がいまいち
- イヤーピースを換えてみたいけど、どれが良いのか分からない
- イヤーピースを換えて、音質の変化を楽しんでみたい
▼現在筆者が使用しているオーディオ機器はこちら。ご参考まで。
実はイヤーピース選び(装着感)はすごく重要
イヤーピースとは、カナル型のイヤホンの先端に付ける、いわゆる「プニプニ」のことです。
そして、実はイヤーピース選びはイヤホン選びと同じかそれ以上に重要です。
人間の耳の形は十人十色で、耳の穴が大きな人もいれば小さな人もいます。
しかし、イヤホンという物は量産品ですから、一般的にはその人それぞれの耳に合ったイヤホンを作るのは、主にコストの面において現実的ではありません。(カスタムIEMなる物が存在はします。)
そういった問題を解決できるのがイヤーピースという物です。
シリコン等の柔らかい素材を用いて、できるだけ人の耳に合うような形に設計。結果、上手く耳を密閉させることができれば、僕たちはイヤホンメーカーが想定した音を聴く事ができるという訳です。
じゃあイヤーピースを使えば絶対にフィットするか、と言うとそんなこともなく…
イヤーピースによっては、どのサイズも自分の耳に合わないなんてこともあり、中々難しい世界だったりします。更に、イヤホンが上手くフィットしていないと、長時間着けているのが苦になったり、音質が損なわれたりしてしまいます。
つまり、どんなに高級で音の良いイヤホンを使っていても、上手く装着ができていないと全然良い音では聴けないし、長時間聴くのもしんどいということです。
逆に言えば、自分の耳に合ったイヤーピースさえ見つけてしまえば、どのイヤホンにも同じ物を使う事で、装着感の課題についてはある程度クリアできるということになってきます。
また、しっかりとフィットした上で、イヤーピースによって音質に差が出てくることもあり、最近では特に選択の幅が広くなっていると思います。
当記事を通して、ご自分に合いそうなイヤーピースを見つけてもらえれば幸いです。
- イヤーピース(プニプニ)選びは実はかなり重要
- 上手くフィットしていないと、耳が痛くなったり、音質が悪くなったりする
- 耳に合ったイヤーピースが見つかれば、それを他のイヤホンにも流用できる
イヤーピースレビュー:評価方法について
レビュー環境
- 無線:SONY / WF-1000XM3
- 有線:UniqueMelody / MaverickⅡRe;
上記2機種のイヤホンそれぞれで各イヤーピースの音や装着感の変化を検証した上でレビューをします。
2機種による検証を行う事により、1機種での検証に比べてイヤホン本体の特性による聴こえ方への影響が減り、よりイヤーピース自体の特性を理解しやすいと筆者は考えています。
今回、レビュー対象である8種のイヤーピースの比較元となるのは、2機種それぞれの付属のイヤーピースとします。
★を使った定量レビュー
分かりやすさを優先したいので、以下のように★を使った定量的な評価を行います。
フィット感: | (3 / 5) |
音質: | (3 / 5) |
遮音性: | (3 / 5) |
付属のイヤーピースの基準点を3とし、それよりも優れているか否かによって点数を振ります。
また、★で評価できない点についてはそれぞれ特記していきます。
AZLA SednaEarfit XELASTEC
フィット感: | (5.0 / 5) |
音質: | (3.5 / 5) |
遮音性: | (4.0 / 5) |
発売以降、飛ぶように売れているニュースタンダード的イヤーピースです。
SednaEarfit XELASTECは、人体の体温によって柔らかくなる特殊なTPEと呼ばれる素材を使用しており、装着するとイヤーピース自体の形がだんだんと使用者の耳の形に合わせて変形します。
これにより、長時間装着していても耳に負担がなく、かつ耳との間に隙間ができにくい為密閉性が上がり、遮音性の向上にも寄与しています。装着してから少し時間が経ってからフィット感が増すので、若干の慣れこそ必要ですが、自分に合うイヤーピースが無くて困っている人にまず最初にオススメしたいイヤーピースです。
注意点としては、通常のイヤーピースよりも軸が太目に作られているので、普段Mサイズを使っている人は1つ小さいMSサイズを使うなど、1段小さいサイズを選んだ方が良いです。
また、イヤーピースの表面がペタペタしているのでゴミや耳垢がやや付きやすいです。こまめに掃除することをオススメします。
なお、ハイテクな分、普通のイヤーピースに比べるとやや高めな価格設定です。
フィット感こそ命!値段は張ってもハイレベルな物が欲しい方にオススメ!
AZLA SednaEarfit
フィット感: | (3.5 / 5) |
音質: | (4.0 / 5) |
遮音性: | (3.0 / 5) |
同じくAZLAより通常のSednaEarfit。
こちらは普通のイヤーピースですが、質は上々。
フィット感、遮音性については普通。
音質、特に音の広がりに特徴があり、横への広がりが大きく増し、縦への広がりが若干小さくなるような印象を受けました。
また、高音域の量感がやや増して、伸びが良く感じました。
付属のイヤーピースの性能を純粋に底上げしてくれる印象で、個人的な評価は高めです。
安くて質の良いイヤーピースが欲しい方にオススメ!
MandarinEs Symbio Eartips TYPE F
フィット感: | (5.0 / 5) |
音質: | (3.0 / 5) |
遮音性: | (5.0 / 5) |
フォームタイプのイヤーピースで、フィット感・遮音性共に今回のラインナップ内ではトップクラスの性能です。
反面、音質に関しては純正イヤーピースとの差をほぼ感じる事はありませんでしたが、これが個人的には凄いポイント。
従来のフォームタイプのイヤーピースは、フィット感・遮音性と引き換えに音質、特に高音域の減衰が目立っていて、それが理由で筆者は使うに使えなかったのですが、Symbio Earfitに関してはその問題を完全にクリアしていて、純正イヤーピース同様の音質は保ちながら、抜群の装着感と遮音性を両立しています。
遮音性が重要!でも音質も両立したい!な方にオススメ。
フォームタイプとは
通常のイヤーピースはシリコンで作られている事が一般的ですが、フォームタイプの場合はポリウレタン等の低反発なスポンジのような素材を採用しています。
このスポンジを指で潰した状態で耳に装着することで、スポンジは耳の形に合わせて元の形に戻ろうとするので、イヤーピースと耳との間に隙間がほとんどなくなり、装着感と遮音性に優れているという特徴があります。
音質は低音域が強くなり、高音域が弱くなる傾向にある物が基本的には多いです。
なお、フォームタイプのイヤーピースは高性能な分、シリコン製に比べて経年劣化がしやすくなっており、毎日使用すると3ヵ月~半年ほどで寿命がくると言われていますので注意。
SONY トリプルコンフォートイヤーピース
フィット感: | (4.0 / 5) |
音質: | (3.0 / 5) |
遮音性: | (3.0 / 5) |
SONYのイヤーピースで、フォームタイプとシリコンタイプの中間のようなハイブリッド素材を使用している事が特徴的です。
フォームタイプのような一段上の遮音性はないものの、軽いフィット感が心地良く、長時間の装着をしても耳が痛くなるようなことがありません。
音質は、低音域が少し増す代わりに、中・高音域が若干籠って聞こえます。また、音の広がりはやや減って全体的に音が耳に近くなったような印象を受けます。
シリコン製が苦手、低音が好きで、軽めの装着感が欲しい方におすすめ。
JVC スパイラルドット++
フィット感: | (5.0 / 5) |
音質: | (5.0 / 5) |
遮音性: | (3.0 / 5) |
筆者一押しのイヤーピースです。
遮音性こそ付属のイヤーピースと違いは感じられないものの、分かりやすく音質の向上を感じられます。
特に中・高音域の伸びが良く、女性ボーカル物やストリングスの音がとても綺麗に聞こえます。低音はタイトさが増し、ベースラインの輪郭がくっきりとする印象があります。
装着感については個人差があると思いますが、普通のシリコン製の物に比べて、傘の部分が若干モチモチした肉厚な設計(SMP iFit)になっており、それが耳に沿って柔軟に馴染んでくれる感覚があります。
若干軸が太めに作られている為、完全ワイヤレスイヤホンなどで軸の細いタイプの物には合わない可能性がありますので、ご注意ください。
全域に渡ってクリアなサウンド傾向をお求めの方にオススメです。
Spinfit CP100
フィット感: | (4.0 / 5) |
音質: | (4.0 / 5) |
遮音性: | (3.0 / 5) |
イヤーピースマニアに知らない人は居ないであろう、定番のイヤーピースです。
傘の部分と軸との接合部に深めの溝が掘られており、これにより傘の根本が柔軟に曲がるという特徴があります。
耳に装着した際には、この柔軟な変形が装着感の向上に寄与しており、異物感が少な目な軽い装着感が印象的で、長時間の使用でも耳が痛くなりにくいです。
音質は付属のイヤーピースに比べると高音域に若干フォーカスされており、低音域の量感はやや控えめに感じます。
安い。クリアさ。フィット感。コスパ重視な方にオススメ!
final TYPE Eイヤーピース
フィット感: | (4.0 / 5) |
音質: | (4.0 / 5) |
遮音性: | (3.5 / 5) |
final TYPE EイヤーピースもSpinfit同様、長年業界のスタンダードとして君臨している定番商品。
傘部分と、軸部分でそれぞれ硬さの異なるシリコンを使うことで、装着感と音質面の両立を実現していることが特徴のイヤーピースです。
音質は低音域にフォーカスしており、量感がやや増しつつ同時にタイトさを確保しています。かといって、中・高音域に粗が目立つということも無く、スタンダードらしく高水準ですね。
やや厚めの傘が適度な密閉感を生んでおり、フィット感・遮音性共に付属のイヤーピースよりも優れていると感じます。
更なる詳細はメーカーの紹介ページへ。
低音の質にこだわりたい方にオススメ!
Acoustune AET07
フィット感: | (4.0 / 5) |
音質: | (4.0 / 5) |
遮音性: | (3.5 / 5) |
サラッとした表面が特徴的なシリコン製イヤーピースです。
開口部、軸が太目に作られており、イヤホンのドライバから届くダイレクトなサウンドが特徴的で、具体的にはボーカルを中心として中音域の質が良くなり、量感が増したような印象があります。反面、低音域の量感は若干抑えめに感じます。
装着感としては、サラっとした表面は人を選ぶ気がしますね。これが好みの人にはガッツリ刺さるでしょうし、重めな装着感が好みの人には合わないと思います。
ボーカルをより良く聴きたい、軽めな装着感が好みの方にオススメ!
おわりに
好みに合いそうなイヤーピースはありましたか?
繰り返しにはなりますが、イヤーピースはイヤホンを使用する上で非常に重要な要素となります。
それでもイヤホン自体を変えるよりは基本的に安く済むので、現状の装着感に違和感を感じている方はもちろん、単純に音質の傾向を変えてみたいという方にも積極的にオススメしたいです。
ここまでご紹介したイヤーピース以外にも沢山の種類がありますが、何から選んで良いか分からないという方はまずは今回の中から選んでみて頂けると失敗が少ないかと思います!
それでは良き音楽ライフを!
ではでは
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